血管の老化も、外見ではわからない老いの代表的なものです。「人は血管とともに老いる」という名言があります。
これは、カナダ出身のウイリアムーオスラー卿(1849-1919)という医者がのこした言葉で、医学の世界ではいまも輝きを放ちつづけています。人が年齢を重ねるとともに血管は硬くなり、弾力性を失っていきます。これは「動脈硬化」と呼ばれる現象です。
この名言が世に出てから数十年後、ラッセルーロス(1929’1999)という米国の医学者が、では、なぜ動脈硬化が起きるのかに着目して、一つの仮説を出しました。それは、「血管の内側の細胞に傷ができると、それがきっかけで動脈硬化が起きる」というものです。 続きを読む
骨粗鬆症の予防という観点からは、もうひとこと、ぜひ付け加えておきたいことがあります。骨の減少を防ぐためには、若いころに骨の「貯金」をうんと増やしておくことが大変重要だということです。
骨の貯金を増やすには、骨量がピークに達する20歳から30歳前後までに、カルシウムを含む食品を多くとるだけでなく、体重を適度に増やすことが大切です。骨は体重の重みがかかることでも増えていくからです。ところが、今の若い女性はダイエットのせいでしょうか、昔に比べて体重がどんどん減っています。美容上はやせているほうが好ましいのかもしれませんが、骨の健康という面からは、痩せすぎは大きなマイナスです。 続きを読む
いっぽう、外見的にはわからない老いもあります。体の内側の骨や内臓の働きが落ちていくことです。例をあげてみましょう。
まず、肺の働きが衰えていきます。とくに、激しい運動をしたとき、肺に酸素が送り込まれる量が落ちます。日常生活ではなんともないのに、坂道や階段をのぼると、ゼイゼイと息切れを起こしてしまいます。
血液から水分や余分なごみを濾しとっておしっこをつくる腎臓も機能が落ちていきます。若いうちはおしっこを濃縮する能力も高いので、ある程度の時間お手洗いに行かなくてもがまんできますが、年をとると、薄いおしっこが膀胱にどんどんたまりますので、お手洗いが近くなります。
年齢を重ねるにつれ、人の体のさまざまな働きは、若かったころに比べて衰えていきます。これが「老化」と呼ばれる現象です。
老化には、外見的にわかるものと、そうでないものがあります。順番に見ていきましょう。
まず、外見的な老化から。皮膚の弾力がなくなってきます。それに、顔や体のあちこちに、しみもできます。髪の毛は、白髪になったり、だんだん薄くなって禿げたりしてきます。また、老人環といって、黒眼の縁が白く濁るようになります。
年齢にはさまざまな種類があるわけですが、「ご老人」と呼ばれる年齢は何歳からかというと、世界的に「65歳以上」となっています。
米国のペルニックーノイガルテンという女性の社会学者が1960年代、シカゴのあたりに住む白人たち1000人以上に、「次の言葉に当てはまると思う年齢はどれくらいですか」といった質間をしました。その言葉には、「男盛り」「働き盛り」「美しい女性」などが並んでいます。
「年齢」と聞いて、どんなことが思い浮かびますか。
「年に一度、誰もが一歳ずつ増えていくもの」というのが多くの方の答えではないでしょうか。
毎年一歳ずつ、という場合の年齢には、「暦年齢」という名前が付いています。人の生年月日をスタート地点として、暦の上で何歳になったかを示すものです。
わざわざ「暦」という言葉が付くぐらいですから、年齢には他にも種類があるわけです。
例えば、「実感年齢」があります。これは、「自分が何歳であると感じているか」です。多くの人は、暦年齢より少し若く感じているといいます。暦年齢が60歳の方が「私は57歳」と実感している、といった具合です。
「外見年齢」もあります。これは本人でなく、「周りの人が本人を何歳だと思っているか」です。「あの人は見た目が若い」とか「あの人は老けて見える」とかいった話はよく聞きますよね。これが外見年齢で、暦年齢より「プラスマイナス1割」の範囲に収まるのがふつうです。暦年齢が60歳の方の外見年齢は、54歳から66歳ぐらい、ということになります。
「希望年齢」は、「もし好きな年齢になれるとしたら、何歳になりたいか」というものです。希望年齢にも傾向があり、暦年齢を0.7倍したぐらいに落ちっくといいます。60歳の方が「何歳になりたいですか」と間われれば、0.7倍の「42歳」となります。80歳の方であれば「56歳」です。おじいちゃん、おばあちゃんが、「はたちのころに戻りたい」とか「中学時代にもどりたい」などと思うことはあまりないということです。