軽度の認知症は改善する

認知症は老化の代表的な症状で、「脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活かおくれなくなった状態」のことをいいます。

かつては「痴呆症」とよばれていましたが、高齢者の尊厳への配慮を欠くという理由から、2004年に国が「認知症」という呼び方に改めると発表しました。65歳以上の方の6~8%が認知症であるといわれています。

認知症は、一度かかってしまうと後はどんどん重くなるいっぽう、といったイメージを持たれがちです。

しかし、すべての方の認知症が重いほうへ進んでいくというわけではありません。

65歳以上の方のうち、2~3%の方は、「軽度認知機能障害」であるといわれています。これは、もの忘れはするけれど、まだ認知症とは認められない、いわゆるグレーゾーンに当てはまる状態です。軽度のうち、たしかに3分の1ほどの方は、脳の神経細胞が萎縮してしまうアルツハイマー病になってしまいます。

しかし、私か杏林大学医学部付属病院に赴任して10年以上が経ちますが、患者さんの中には、初めてお目にかかったときよりも状態がよくなり、その状態が7、8年も続いているという方もいらっしゃいます。一般的に、軽度認知機能障害と診断されたときより状態がよくなる方も、1~2割はいらっしゃいます。もの忘れなど症状が軽いうちは、また元に戻る余地がじゅうぶんにあるということです。



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