見てわかる老化、見えない老化

年齢を重ねるにつれ、人の体のさまざまな働きは、若かったころに比べて衰えていきます。これが「老化」と呼ばれる現象です。

老化には、外見的にわかるものと、そうでないものがあります。順番に見ていきましょう。

まず、外見的な老化から。皮膚の弾力がなくなってきます。それに、顔や体のあちこちに、しみもできます。髪の毛は、白髪になったり、だんだん薄くなって禿げたりしてきます。また、老人環といって、黒眼の縁が白く濁るようになります。

視力でいえば、40歳をすぎたころから近くのものが見えにくくなり、いわゆる老眼になります。目のレンズの焦点を合わせるための筋肉が衰えるためです。ものを見るための視神経も、毎年6000本ずつ減っていきます。人の目には約100万本の視神経がありますが、どんなに長生きしても、166歳をすぎると日が見えなくなる計算です。

耳のほうでは、耳が遠くなるほか、高い音が聞き取りづらくなってきます。東京都内の公園で、若者が夜中に集まって騒がないようにするために、モスキート音と呼ばれる若者にしか聞き取れない不快な音を出す装置をつけたことが話題になりましたが、この音は非常な高音で、40歳以上の人にはボリニームを上けてもまったく聞き取れないということです。音を聞き分ける能力が下がることもあります。静かなところでは、人の話を聞くことができますが、都会のざわざわした中では話を聞き取るのが難しくなるということです。さらに、味を確かめる、においを嗅ぐ、触るといった感覚も衰えていきます。

外見的な老いの代表として、皮膚の弾力がなくなるしくみを考えてみます。 皮膚の弾力がなくなるのは、皮膚の水分量が少なくなっていくからです。赤ちゃんの皮膚の細胞は、水が8、水以外が2という割合でできています。ほとんど水でできているのですね。幼児になると、比率は7対3ぐらいになります。成人では6対4少しずつ、水分は減っていき、女性の高齢者になると、5対5ほどになります。水分が減るかわりに、皮脂が増えていきます。また、皮膚の中の成分も乾いたものに変わっていき、みずみずしさを保つコラーゲンという物質が、固いものへと変わっていきます。こうしたことで皮膚の弾力が失われていくのです。

皮膚が弾力を失う別の理由として、筋肉が減るということもあります。筋肉が豊富なところを覆う皮膚には張りがありますが、筋肉がなくなると、張っていた皮膚がたるんでしまいます。お年寄りの方の眼のまわりがだんだんくぼんでくるのは、そのためです。

全身の筋肉も年齢とともに減っていき、120歳で8割減となります。ここまで減ると、自力で立つのは難しくなります。



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