年齢にはさまざまな種類があるわけですが、「ご老人」と呼ばれる年齢は何歳からかというと、世界的に「65歳以上」となっています。
年齢にはさまざまな種類があるわけですが、「ご老人」と呼ばれる年齢は何歳からかというと、世界的に「65歳以上」となっています。
米国のペルニックーノイガルテンという女性の社会学者が1960年代、シカゴのあたりに住む白人たち1000人以上に、「次の言葉に当てはまると思う年齢はどれくらいですか」といった質間をしました。その言葉には、「男盛り」「働き盛り」「美しい女性」などが並んでいます。
9割の人で一致した年齢を並ぺてみますと、おおよそ「男盛り」は、35歳から50歳。「働き盛り」も50歳まで。「美しい女性」は20歳から35歳となりました。
ノイガルテンは、「老人」という言葉についても質問しました。そして、答えの9割は「65歳以上」となりました。これが、国連の世界保健機関(WHO)という国際機関にも採用され、「65歳以上が老人」というのが世界標準になったといわれています。
ノイガルテンが調査を行ったのは1960年代です。このころの米国の平均寿命は、男性が67歳、女性が73歳でした。それから40年以ヒが経った2006年の平均寿命は、男性が75歳、女性が80歳となりました。
日本でも1961年から2006年の間に、男性が66歳から79歳へ、女性が71歳から85歳へと飛躍的に延びました。
つまり、ノイガルテンの調査が行われた当時の「ご老人」といえば、亡くなる間際の年齢だったわけです。
その後、平均寿命が延び続ける中で、なぜか「老人」の年齢はずっと変わらないままでいます。この年齢区分が、いまも生き続けていることに、少し違和感を覚えてしまいます。
ところが、歴史を調べてみますと、かなり古くから「65歳以上が老人」というのに近い制度があったようです。日本で8世紀に実施された一養老律令」という法律の1項目を見ますと、「老を66歳以上とする」といった内容の文が載っているのです。この養老律令は、中国の制度を手本としていますから、東洋における「ご老人」の年齢は、現在の老人の年齢とあまり変わっていないということになります。
老人に対する年齢のイメージがこれほど長い間、変わっていないというのはとても不思議です。